最新マンハッタン投資用一棟物件市場動向≪2024年4Q≫
ニューヨーク市のMultifamily市場は、依然としてコロナ禍以前の水準には回復していないものの、回復の兆しが見られ、楽観的なムードが漂っています。2024年の第3四半期と第4四半期には、20室以上を含む大型物件の取引が特に活発でした。この背景には、FRB(米連邦準備制度)による利下げの発表やトランプ大統領の就任が経済の安定性への期待感を高めたことが影響しています。
ニューヨークの賃貸市場はその堅実さが際立っており、世界中の投資家を引き寄せています。空室率は2.3%と低水準を維持しており、全米の多くの都市で過剰供給による空室率上昇が見られる中、ニューヨークは逆行する動きを示しています。さらに、マンハッタンの平均賃料は$4,650と継続的な上昇傾向を見せています。
投資家との会話からは、ニューヨーク市のMultifamily市場が力強い回復の局面に差し掛かっているという共通認識が伺えますが、これは海外投資家にとっては今後ローカルの投資家との競争が激化することを意味します。2023年には日本、韓国、シンガポールなどからの海外投資が目立ちましたが、2024年には機関投資家による高額物件の取引が活発化し、全体に占める海外投資家の取引額の割合が減少しています。このようなマーケット下では、意思決定の速さや交渉時の柔軟性が求められます。
参考:Avison Young, Alpha Realty