最新マンハッタンコンド不動産売買/賃貸市場動向≪2024年4Q≫
【マンハッタン売買市場】
2024年第4四半期は昨年同期に比べ、成約件数は-2%、在庫件数は-6%、価格は-2%で低調に推移し、トランプ大統領就任を控え様子見の傾向が見られました。不動産鑑定のMiller Samuel社によると値引き率は9.2%で昨年同期の7.2%から上昇し、売り手がより価格交渉に応じている状況が見られます。現金購入の市場シェアは62.3%と依然として高い水準ですが、昨年同期比では4.9%減少しており、一方ローンによる購入は、住宅ローン金利が上昇する中で前年同期比21.3%の成長を記録しました。これは住宅ローン金利が大幅に下がることを期待しなくなった傾向がうかがえます。今後トランプ政権が米国不動産市場に与える影響としては、税制改革や経済成長が不動産市場を押し上げると期待できる一方、外交政策や移民政策による需要の低下なども考えられ、プラス、マイナス両面で影響を及ぼすと予測されますが、常に高い潜在的需要を維持するニューヨークの不動産市場は、昨年12月よりすでに活発化の兆しが見え始めており、価格の上昇は見られないものの問い合わせや申し込み件数が増加しています。
【マンハッタン賃貸市場】
2024年第4四半期の賃貸市場は昨年同期に比べ、賃料は-4.5%とやや下落したものの、成約件数は+18%、在庫件数は-13%となり冬場にしては活発な動きが見られました。これは本来購入を希望する層の人々が売買市場の不透明感を受けて、一時的措置として賃貸を選択し、購入の機会を待つ動きが見られたことが一因と考えます。今後はトランプ政権による大きな変化がない限り、春に向けて市場は活発化し、安定的に右肩上がりに推移すると考えます。
出典:売買/賃貸市場のグラフはともにOLRからデータ引用。
補足資料【金利・米国債・為替点の推移】出典:住宅ローン金利についてはFRED, ドル円為替については、三菱UFJリサーチ&コンサルティングよりデータ引用。